ブラック企業対策にはあっせん・労働審判どちらが有効?違いを比べてみた!

マスター

マスター

いらっしゃいませ。

ようこそ退活カフェへ。

おや、ションボリした顔をしてどうでしたか?

相談者

相談者

はい、実は以前労基署からおススメされた「あっせん」を勇気を振り絞ってやってみたんですが、

会社から思いっきり無視されました。

労基署にはどうにもできないって言われるし、ガッカリです。

マスター

マスター

そうですか。それは大変でしたね。お疲れさまでした。

あっせんには法的拘束力が無いので、不誠実なブラック企業だと出てこないことも多いですね。

参照:労働トラブルの解決にはあっせんが有効?メリット・デメリットを比較してみた

でも、あなたの勇気は無駄ではありませんよ。

あっせんが不調に終わっても次の手段があります。

この記事では、あっせんの次に控える労働審判についてご紹介します。

と、その前にまずはあっせんについての復習から始めましょう。

あっせん3つの結末

悲しいことですが現代社会では、仕事のトラブルで悩みを抱える人が非常に増えています。

巷では「働き方改革」なんて言葉がありますが、実際には何も変わらずツラい日々を過ごしている方も大勢いらっしゃるのではないでしょうか?

実際は政府が一方的に耳触りの良い言葉を掲げているだけで、

現場は「ストレス社会」が実態なのですから、嫌になってしまいますよね。

私もそんなブラック企業に嫌気がさして、転職を繰り返してきた過去があります。

しかし日本では転職などの手段で企業から「逃げる」だけではなく、

企業をきちんと「追及」するという制度も実は様々に存在しています。

その中の1つに、職場いじめや嫌がらせ・パワハラ・セクハラ・人間関係トラブルがなど発生した時にその解決方法として用いられる、あっせんと言うものがあります。

あっせんとは労働局等が労使間トラブルを調停するために設けてくれる話し合いの場のことです。

専門家が間に入り、会社と経営者相互の歩み寄りによって問題解決を目指します。

無料・簡単・迅速と言ったメリットがありますが、

一方で法的拘束力がなく、妥協を強いられるなどのデメリットもあります。

ここでお話しするのは、あっせんが実際にはどれくらい成果を上げているのか?ということです。

実はあっせんで労働問題が解決する確率は半分以下です。

驚きですよね。もう少し詳しく見て行きましょう。

あっせんを行った場合、最終的な結論は解決・打ち切り・取り下げの3通りにわかれます。

解決

会社と労働者があっせん案を受諾した場合、労働局紛争調整委員会の助言などにより、

会社と労働者双方が自主的に話し合うことで合意したり、紛争事項について和解書などを交わした場合などは、

あっせんは終了します。

要するに一件落着すると言うことです。

こうなれば本当に理想なのですが実際は・・・

打ち切り

そもそも会社があっせんに応じない場合、またあっせんをしても会社が和解案を受け入れず平行線をたどった場合、

あっせんはそのまま打ち切られて終了します。

えっ!?そうなの?と驚かれる方も多いと思いますが、実際はこんなもんです。あっさりしてますね。

取り下げ

実際にあっせんを行う前に問題が解決した場合、申請者から取り下げをしてあっせんは終了します。

異常、あっせんの結末は3通りあるのですが、

実際に全体のどのくらいが、「解決」にいたるのかと言うと、

あっせんに相手が応じる率が60%、さらに解決率は30から40%が現状です。

上記の数字は『ブラック企業完全対策マニュアル 著:古川琢也』からの引用です。

この数字を見る限り、あっせんで問題が解決する確率は非常に低いと言わざるを得ません。

そもそも、あっせんの申し立てをして会社がそれに応じる可能性は6割と言うことは、

5社中2社はあっせんをしようとしても無視されると言うことです。

平成25年度内に全国で処理したあっせんの件数は5,688件、その内「打ち切り」が3,141件であり、

さらにその中で不参加による打ち切り、つまり会社があっせんを無視したケースが2,101件とのことです。

引用元:厚労省「平成25年度個別労働紛争解決制度施行状況

労働局なめられてますね・・・

また全体で「解決」にいたるのはわずか3割から4割・・・半分以下です。

うーん、具体的な数字を見るとあっせんは頼りない制度だと評価せざるを得ませんね。

また、『ブラック企業完全対策マニュアル 著:古川琢也』によれば、

直属上司だけが問題で、経営者個人や会社とは話し合えそうだった場合でも、自分の使用する労働が労働局にあっせんを申請したと知るやいなや逆上し、

その瞬間から会社ぐるみのパワハラや退職勧告が始まることも少なくない。

とのことです。

また、

あっせんをやるのであれば、不調に終わった場合に備えて、次の一手を考えておく必要がある。

ないのであればやらない方がいい。

と言う専門家の言葉が紹介されています。


それならあっせんなんか何の役にも立たないのでしょうか?

やっぱり職場イジメやパワハラには泣き寝入りしかないのでしょうか?

いいえ。まだ手はあります。

実は会社に出席を強制でき、なおかつ解決率80%を誇る制度があるのです。

それが労働審判です。

相談者

相談者

最初からあっせんじゃなくて労働審判をやれば良いのではないですか?

マスター

マスター

確かにそう思われるかもしれませんが、

事前にあっせんを申し立てておく方が有利にことが進む場合も多いのです。

その理由も説明しますので、焦らずじっくり労働審判について学んで行きましょう。

労働審判とは

労働審判とは何でしょうか?

労働審判法第一条によると、

この法律は、労働契約の存否その他の労働関係に関する事項について個々の労働者と事業主との間に生じた民事に関する紛争に関し、

裁判所において、裁判官及び労働関係に関する専門的な知識経験を有する者で組織する委員会が、当事者の申立てにより、事件を審理し、

調停の成立による解決の見込みがある場合にはこれを試み、その解決に至らない場合には、労働審判を行う手続を設けることにより、

紛争の実情に即した迅速、適正かつ実効的な解決を図ることを目的とする。

引用元:労働審判法 第一条

と言った内容になります。

やはり法律だけあって、内容が堅苦しいですね。

もう少し分かりやすくするために、かみ砕いて説明します。

まず、プロの裁判官や労働関係の専門家を含む組織が、会社におけるトラブルや悩みを受理してくれます。

その上で和解できそうであれば和解を目指しますが、和解できなさそうであれば裁判として判決を下す、という制度です。

あっせんは話し合いに応じるか否かも、和解に応じるか否かも強制ではないと言う問題点がありますが、

労働審判はそれ以上に強制力を持って企業をきちんと追及できるという制度になっています。

何だそんな便利なものがあるなら、そちらを早く紹介してよ!と思うかもしれません。

お気持ちはわかるのですが、労働審判の前にあっせんを行った方が良いケースもあるのです。

労働審判は立派な裁判になるので、あっせんよりも手続きが若干煩雑になり、時間もかかります。

無料・迅速に問題を解決してくれるあっせんでことが済むなら、それに越したことはありません。

労基署に相談する前に、1度会社に内容証明を送っておくと後でスムーズに事が運びやすいように、

労働審判を申し立てる前段階としてあっせんを申し立てておくと、例えば会社があっせんを無視した場合、

そのことを申立書に書くことが出来ます。

そうすれば、裁判官に相手側の会社は問題解決に対して不誠実な態度であると印象付けられるでしょう。

心証面でこちらが有利になります。

こう言った事情から、労働審判の前にあっせんを申し立てておくべきなのです。

相談者

相談者

なるほど、あっせんで相手が不誠実な態度を取れば、

そのことを労働審判でアピールの材料に使えると言う訳ですね。

マスター

マスター

そうです。

ブラック企業との戦いは詰将棋のように、

順番に一手ずつ追い込んでいくことが大事なのです。

労働審判5つのメリット

それでは労働審判にはどんな特徴と強みを持っているか?

あっせんや通常の裁判と比べてどうか?

ご紹介して行きます。

費用が安価

あっせんは原則無料です。

対して労働審判はさすがに無料とは行きませんが、

例えば申立書を作成する際に必要な収入印紙代は通常の訴訟の半額で済みます。

金銭的に困窮している方が多いであろう、

労働者に配慮した制度になっています。

企業は無視できない

あっせんは法的な拘束力を伴わないので、企業はあっせんを無視できます。

しかし労働審判は無視し続けると文字通り欠席裁判になってしまい、

訴え通りの判決が確定してしまいます。

さらに5万円以下の罰金が科される場合もあります。

なので労働審判を無視する企業はほとんどありません。

迅速解決

あっせんは1度の審理で結論を出します。

とても迅速なのですが1度しか話を聞いてもらえないがために、

こちらが十分に主張し尽くせないと言う欠点もありました。

労働審判は原則3回以内の審理で結論を出します。

あっせんが申し立てから結論まで約1ヶ月半なのに比べて、労働審判は約2ヶ月半ほどになります。

しかし通常の訴訟だと結果が出るまで約1年かかり、会社が上告したらさらに時間がかかるのに比べると非常に迅速であると言えます。

また途中で調停が成立すれば、3回の審理を経ずとも和解に持ち込むことも可能です。

柔軟な解決

裁判所はやはりお役所ですので、四角四面な判決しか出せません。

対して労働審判は、

『当事者間の権利関係を踏まえつつ、紛争の実情に即した迅速、適正かつ実効的な解決を図る』

ことを目的としており、色々な面で柔軟に対応してくれます。

職業裁判官だけでなく労働問題や現場の実務に詳しい労働審判員が一緒に審理を行ってくれるので、

ただ法律を当てはめるだけでなく現実的にどうしたら労働者が助かるのか、をより追求しやすい制度と言えるでしょう。

強制執行力がある

労働審判によって下された判決は、通常の裁判と同じく法的強制力を持ちます。

例えば「未払いの残業代を全額支払う」であったり、「慰謝料を100万円支払う」という審判が下った場合には、キッチリその額を支払わなければなりません。

もし判決内容を企業側が履行しない場合には、企業の資産を差し押さえることも可能です。

相談者

相談者

あっせんに比べると労働審判はとっても頼りになりますね!

マスター

マスター

そうですね。

しかしどんな制度にも欠点は付きもの。

労働審判のデメリットも学んでおきましょう。

労働審判3つのデメリット

一方で、残念ながら労働審判も良いことばかりではありません。

法的に有効な手段であることは間違いないのですが、それゆえにデメリットも多少はあります。

今度はそちらを見て行きましょう。

判決に不服がある場合は通常訴訟に移行

「なんだって?じゃあ勝ち取った労働審判の判決はどうなるんだ!?」と思われた方も多いかもしれません。

確かに労働審判によって下された判決に両者納得した場合は、その審判に必ず従う必要があります。

ですが、一般的な裁判を思い出してみてください、

下された判決に不満がある場合、日本の裁判においては何かできることがありませんか?

そう、控訴と上告です。

労働審判も判決に不服がある場合は、異議を申し立てることで通常の訴訟に切り替えることが可能なのです。

逆に労働者側も判決に不服があるのであれば、通常訴訟に切り替えることも可能です。

通常の裁判に移行すると、時間も費用も莫大になる泥沼の争いを覚悟しなければいけません。

さらに、労働審判で出た判決が覆ってしまう危険もあるので注意が必要です。

全ての労働トラブルに対応できるわけではない

労働審判法によれば労働審判の目的は、

「労働者」と「企業」の間のトラブルを解決するのが目的である、

と言うことでした。

労働審判で対応できる例としては、企業に責任のある「賃金未払い」「不当解雇」「意思にそぐわない転勤」などが該当します。

つまりあくまで企業を相手取っているのであって、特定の個人相手には労働審判を起こすことができません。

例えば、とある上司からハラスメント行為を受けていて「この上司を訴えて慰謝料を請求したい!」と考えていたとします。

この場合は個人間の争いになるため、労働審判は利用できません。

また公務員は民間のサラリーマンとは少し異なる雇用形態のため、労働審判を利用することはできません。

弁護士を付ける必要がある

平成18年に制度がスタートしてから平成23年までの統計調査によると、労働審判の申立における代理人弁護士の選任率は83.6%となっています。

実に8割以上の案件で、弁護士が代理人として付いているのです。(最高裁判所行政局調べ)

あっせんと違って法に則って争う以上、感情論や矛盾する話をしてしまうと、不利になります。

あくまで論理的かつ冷静に話を進める必要があります。

また労働審判本番だけではなく、それに至る過程、特に提出した資料や証拠などに矛盾が生じていないか、

と言うことは厳しくチェックされているので、事前準備も気が抜けません。

しかしこれは素人には中々難しいことですよね。

故に労働審判に臨む人のほとんどは、弁護士を付けています。

労働審判を検討されている方は、弁護士費用も考慮しましょう。

相談者

相談者

弁護士を付ける必要があるんだ。

それに、あっせんを無視されてから社内の雰囲気がますます悪くなって、

嫌がらせが酷くなっちゃったし。頭が痛い・・・

マスター

マスター

もうその会社は辞めざるを得ないかもしれませんね。

法律では壊れた人間関係までは戻せませんから。

まとめ

マスター

マスター

今回は、あっせんに引き続き労働審判についてご紹介させて頂きました。

あっせんは手続きが簡単である一方で、その拘束力は弱いですが、

労働審判は法的な手段で企業と戦うことができるので、労働者にとって非常に有用な制度です。

どちらも一長一短はありますので、制度はしっかり理解したうえで利用されるのがよいでしょう。

ただ、あっせんや労働審判に限った話ではありませんが、残念ながら会社と揉めてしまった場合は、会社を辞める覚悟をした方が良いです。

そこでおススメなのが弁護士の退職代行です。

労働審判を起こす場合ほとんどの人は、弁護士を付けます。

なので退職と労働審判、どちらの相談もできる弁護士の退職代行にまずは無料相談してみましょう。

きっと、あなたにとっての最適解を見つけてくれますよ。

相談無料の退職代行はこちら

無料であっせんや労働審判に強い弁護士と出会える!日本法規情報

ブラック企業からのイジメ・パワハラにもう我慢できない!

あっせん・労働審判・退職代行を検討しているけど自分だけでは不安・・・

でも家の近くに法律事務所なんてないし、どうやって探したらわからない。

そんな方には、ネットから無料でピッタリの弁護士を探せる日本法規情報がおススメです!

ネットから依頼するだけで、あなたのお悩みにピッタリの法律家を全国から紹介してくれます。

利用料は無料。相談だけでもOK!無理に契約させることは絶対にありません。

今すぐ弁護士を探したい方は、下記リンクをクリックして日本法規情報公式サイトから無料相談して下さい。

無料でおススメの弁護士を探す