労働トラブルの解決にはあっせんが有効?メリット・デメリットを比較してみた

マスター

マスター

いらっしゃいませ。ようこそ退活カフェへ。

おや、何か難しい顔をしてどうされましたか?

相談者

相談者

実は、労基署の総合労働相談コーナーへ職場で受けた嫌がらせの相談に行ったんですが、

それなら「あっせん」がおススメだよと言われて、

何だかよくわからない内に手続きをされてしまったんです。

マスター

マスター

なるほど、あっせんですか。

確かにあっせんは労使トラブルが起きた時に有効な手段ですが、

何の説明も無しに手続きを進められると不安になってしまいますよね。

私も経験がありますが、総合労働相談コーナーは相談者の話をじっくり聞いて悩みを解決することよりも、

相談者を効率良くさばくことを重視しがち。

そこでこの記事では、あっせんの概要や、メリット・デメリットなどをご紹介します。

労働トラブルに悩んでいる方、あっせんについて詳しく知りたい方は是非ご覧下さい。

あっせんとは

労基署へ相談に行ったら、あっせんを勧められたことはありませんか?

急にアッセン・・・と言われても、何のことやらわからず戸惑ってしまいますよね。

私も知ってて当然、みたいな態度でよくわからない専門用語を使ってくる労基署の相談員には腹立たしい思いをさせられたものです。

あっせんとは一体何でしょうか?

職場において、働く方(労働者)と事業主(使用者)との間で、賃金、解雇、配置転換など労働条件に関係してトラブルが発生し、

当事者間で解決を図ることが困難な場合は、労働委員会において、労働問題の専門家である委員によってトラブルを解決するお手伝いをいたします。

これを「個別労働紛争のあっせん」といいます。

※各都道府県労働委員会で名称・制度内容・処理方法は異なります。

引用元:個別労働紛争のあっせんとは

上記があっせんの定義ですが、いかにもお役所的で小難しいのでもう少し具体的に説明します。

例えば、職場環境や労働条件が悪く、会社に申し入れをしたのに改善の余地が全く見られない!

と言った風に自力で解決が難しい労使トラブルが発生したとします。

あっせんとは、そのような場合に労働局等が話し合いの場を提供し、弁護士・社労士・大学教授などの専門家が、

第三者としての立場から会社と労働者の仲裁をしてくれる制度です。

言うなれば、労使間の「仲直り」を第三者機関を通して手伝ってもらう、と言うものです。

もっと具体的に見て行きましょう。

例えばあなたが、営業成績が悪く毎日の様に上司から暴言を浴びせられてたとします。

パワハラに耐えかねたあなたは、労働基準監督署にそのことを相談しました。

すると労働基準監督署の相談員は「あっせん」をあなたに勧めました。

会社が行う行為が明確な労働基準法違反であれば労働基準監督署の管轄になりますが、

職場いじめ、セクハラ、パワハラなどと言ったただちに法令に違反するかどうかわからない案件は労働局の管轄になります。

その労働局が「労働問題に悩んでるけど、裁判を起こすのはちょっと・・・」と言う方向けに、話し合いの場を設けてくれるのがあっせんなのです。

あっせんは、「紛争調停委員会」と言う弁護士・社労士・大学教授などの専門家が会社と労働者双方の意見を聞き、紛争を解決に導いてくれます。

正規・非正規関係なく全ての労働者が利用出来ます。

離婚の際に裁判の前段階として調停と言う制度がありますが、あれに似たようなものだと考えて頂ければ良いかと思います。

あっせんは比較的新しい制度ですが利用者は年々増加しており、

平成25年度は、全国で5,712件のあっせんが行われています。

相談者

相談者

なるほど、離婚調停みたいな話し合いのことをあっせんと言うのですね。

ようやくわかりました。

総合労働相談コーナーの人も、もっと噛み砕いて説明してくれたら良いのに。

マスター

マスター

本当にそうですね。

それでは、あっせんのメリットを分かりやすく説明して行きます。

あっせん3つのメリット

あっせんは労働上のトラブルを解決するのに制度ですが、

一体どんなメリットがあるのでしょうか?

ご紹介します。

原則無料

あっせんを行うのに費用は一切かかりません。

裁判だと必要になる収入印紙代などは不要です。

ただし交通費や資料郵送の切手代等がかかる場合は、ご負担いただきます。

手続き簡単

あっせんの申請は、申請書を総合労働相談コーナーへ提出するだけです。

審理の場も口頭で自分の主張を行う、と言うのがメインで弁護士を同席させるケースは少ないです。

また極端な話ですが、そのトラブルの証拠がなくても構いません。

もちろん証拠があるに越したことはないのですが、あっせんなら説明するだけで何とかなることもあります。

諦めていた職場の悩みも、実はまだ解決策を見つけることができる可能性があるのです。

迅速解決

あっせんは申請も簡単だし、原則1回の審理結論を出すので、何度も現場へ足を運ぶ必要がありません。

また、あっせんは会社側の人間と労働者を別室で待機させ、交互に話を聞くスタイルなので相手と顔を合わせることもありません。

当事者同士だと感情的で水掛け論になりやすい部分も第三者が介するおかげで冷静的に判断してもらえるので、

スムーズに場が進行するのも特徴です。

申し立てから結論が出るまでの期間は、およそ1ヶ月半です。

相談者

相談者

本当に簡単ですね!

これでムカつく会社を懲らしめられるんでしょうか。

マスター

マスター

ただし、あっせんには欠点もあります。

そちらも知っておきましょう。

あっせん3つのデメリット

このようにお金もかからず迅速解決!なあっせん。

なーんだ、こんな良い方法があるんじゃないか。

これなら裁判も弁護士も必要ないですね!と思ったあなた。

残念ながら必ずしもそう上手くいかないことも多いのです。

あっせんは簡単・迅速故に弱点もあります。

法的拘束力なし

例えば労働組合から団体交渉を申し込まれた場合、会社はそれを拒否出来ないことになっていますが、

あっせんにそのような強制力はありません。

あっせん通知を会社が無視したら、それ以上どうにも出来ません。

労働基準監督署の是正勧告すら無視するレベルのブラック企業には、あまり効果は期待できないでしょう。

十分な審理を行わない

迅速に紛争を解決することを目指した故の欠点です。

数時間程度で結論を出してしまうので、主張したことが山ほどある場合、

こちらの言い分を十分に聞いてもらえない恐れがあります。

あっせんは簡便な方法であるが故に、大きなことも出来ないのが現状です。

軽微な労働問題で、「話せばわかる」会社であれば、利用してみる価値はあると思います。

そういう会社ばかりじゃないのが現状ではありますが・・・

100%満足な結果を得られない

あっせんは当事者同士で歩み寄り、紛争の解決を目指す制度です。

なのでどうしても妥協しないといけない部分が出てきてしまい、

完全にこちらの主張を通せない場合が多いです。

例えば100万円の解決金を請求しても、50万円で和解をしなければならないと言ったことがあります。

ブラック企業がやったことがどうしても許せなくて、絶対に譲歩したくない!

と言う方にはおススメできません。

相談者

相談者

呼び出しを無視してもお咎めなしなんですか!?

マスター

マスター

そうなんです。

警察や税務署にそんな態度取ったら、大変なことになるんですけどねぇ・・・

本当に労働行政の弱腰っぷりと来たら。

あっせんの事例

ここまで書いてきたように、あっせんにはメリットもあればデメリットもあります。

しかしこれだけでは、まだあっせんと言うものに対して漠然としたイメージしか持てませんよね。

そこで、実際に行われたあっせんの事例をご紹介して行きます。

苦情を言ったら解雇を通告された

内容:食品の販売業。

1日5時間勤務(交代制)・週3日の契約だったが、実際には早出を要求されたり、終了後の後片付けを強制されたりで、所定労働時間が守られていなかった。

苦情を言ったところ、即日解雇を通告された。

結果:相談者は、本人の話どおりの条件で採用されていたが、その後、会社が当該販売業務の落札に失敗した。

このため本社への配置替えがあり、当初約束した労働条件の確保が困難となっていた。

会社側に当初の雇用条件の遵守を確認したところ、近日中に同じ勤務条件の勤務先が確保できる予定なので、こちらへの配転を打診すると言うことになった。

相談者もこれに同意した。

この事例は企業側が悪いケースではありますが、相談者としても企業側としても思惑通り和解できたというところでしょうか。

企業として経営がうまく立ちゆかないことを、従業員に押し付けてしまっていたわけですから、

企業側に利がないのは明らかです。

経営不振となった責任の一端を従業員に負わせるのはお門違いですよね。

企業側の一提案として配置転換という解決策に至りましたが、相談者も同意できたようなので、

この事例は双方うまく落ち着いたと言ってよいでしょう。

職場内で度重なるいじめ被害に遭った

内容:古参の管理職からいじめられているという新規採用者からの相談。

いじめを避けるために仕事に没頭していると、聞こえよがしに「また、コンピュータに逃げ込んでいる」などのあてつけがある。

総務部長に訴えたが、逆に「今からそんなことでは本採用できない」とされたうえ、協調性がないなどと決めつけられた。

相談者は事実と違うと反論し、謝罪を求めた。

結果:会社は相談者の主張を全面否定し、ミスが多く向上が見られないので本採用にはしないことを決めた。

本採用見送りであって解雇ではない、と主張した。

本採用拒否については解雇と同等と説明した。

相談者はこれ以上この会社にはいたくないという気持ちであったため、勧奨による退職扱いとし、退職金支払いにより決着した。

この件は明らかなハラスメント行為であり、完全に企業側が悪いケースです。

企業側としても苦しい言い訳をしているようですが、さすがにこれでは勝ち目はありません。

相談者もそんな会社でずっと働き続けたいとは思わないでしょうから、

退職金支払いという形で決着がついてよかったのではないでしょうか。

もちろん企業側としては不本意な結果で損失を出してしまった訳ですが、それは身から出たサビ。

今後はそのようなことがないよう、労働環境改善に熱心に取り組んで頂きたいものです。

「企業」が「従業員」に対して入社後の研修費用の返還を求める

内容:IT関係の専門職として入社したが、これより先、大学夜間部への入学が決まっており、残業はできないと会社に申し出た。

会社が取引先の要望で勤務時間が拘束されるため「仕事と学業の両立は困難」であると本人を説得した所、相談者は学業を選び退職した。

「あらかじめ知っていたなら採用しなかった」と怒った会社側が、支払済みの給料について研修経費だとして返還をもとめた。

結果:勤務日のほとんどが研修にあてられていたが、研修の費用負担についての特約はなく、

業務に付随するものと考えられたので、返還請求には無理があると会社側に説明した。

会社側は憤懣やるかたない様子だったが意見を受け入れ、給料の返還請求を取り下げた。

この件も企業側が悪いケースですが、少々特殊なケースで「企業」が「従業員」に対して、

研修をわざわざ行ったのに辞めるとは何事か、ということであっせんを行ったものです。

もちろん企業側としては入社した若手に先行投資をしている、と言う事情は重々承知しています。

しかし労働者には、憲法で「職業選択の自由」が保障されているわけですから、

理由の如何に関わらず退職するもしないも自由です。

企業側が裏切られた!と不満を持つ気持ちはわからなくはないのですが、

これまでの給料を研修費用とみなして返還しろ!と言う要求は流石にやり過ぎです。

ブラック企業の中でも特に酷い所は辞めようとすると、損害賠償を請求してくる場合があります。

そういう時は絶対に自分だけで交渉しないようにして下さい。

更新間近になって雇用契約を拒否された

内容:商品販売の仕事をしている有期契約社員。

3か月の更新を6回重ね1年半勤務したが、次の更新間近になって雇用契約を拒否された。

理由はシフトどおりの勤務をしないとのこと。

結果:会社は、(1)朝礼に遅刻、(2)休憩時間の無断外出、(3)契約の取りやすいリストを選ぶ、注意しても改めない、と主張。

相談者は「十分な実績を上げれば文句はないはずだ」と反論した。

会社に「何度も契約更新すると、期間の定めのない契約と見なされる場合もある」と説明して解決を促したが、

会社側は「最後の更新として1回だけなら応じる」との最終回答を示した。

これには相談者が反発し双方とも引かず、あっせんは打ち切りとなった。

引用元:「労働問題解決サポート さむらい会」

この事例は、残念ながら和解が成立しなかったケースです。

文面だけ見れば、相談者の方の素行にも多少問題はあったのかもしれませんが、

十分な実績はあげられていたようなので、結果主義の会社であれば不問とするところもあるように思います。

この事例における企業は成果だけでなく、その過程も重要視する社風であり、

相談者の仕事のスタイルとはミスマッチだったと言う所でしょうか。

このように全ての悩みが望んだような解決に向かうわけではありませんので、

あっせんを行う際にはご注意ください。

相談者

相談者

会社側と腹を割って意見をぶつけ合えるのは良いかも。

誤解や勘違いがトラブルの原因である場合もありますからね。

マスター

マスター

確かにちょっとした行き違いなら、あっせんで十分解決できますからね。

やってみる価値はあると思います。

まとめ

マスター

マスター

今回は、企業と労働者の紛争を解決する1つの手段である「あっせん」についてご紹介させて頂きました。

「仕事上で悩みはあるのだけど、裁判などで大ごとにはしたくない・・・」

「企業サイドに不満をぶつけたのに、解消される兆しが見えない!」

という方は一度ご検討されてみてはいかがでしょうか?

メリット・デメリットはありますが、証拠はなくとも解決する可能性を秘めています。

無料なのですから、ひとまず話だけでも聞いてもらっても良いかもしれませんね。

無理だと諦めていたことを、認めてもらえるかもしれませんよ。

残念ながら、もしあっせんが不調に終わってしまったら、

それ以上話がこじれる前に、そんな企業は辞めてしまった方が良いでしょう。

しかし体験談の中にもあったように、会社を辞めようとすると給料の返還や慰謝料の請求をしてくるブラック企業もあります。

会社とこれ以上揉めたくない、関わりたくない!という方は、退職代行を行うサービスもありますので検討してみてください。

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